糖尿病は様々な合併症を引き起こします。その一つに“糖尿病網膜症”があります。網膜の血管が障害されて、眼底出血や網膜剥離をおこし、進行すると失明にいたります。
糖尿病と診断されたら、眼科でも定期的な検査が必要です。
血液に血糖が多いと血液がドロドロして毛細血管などの細い血管が詰まりやすくなります。網膜の血管が詰まったり流れが悪くなると、網膜への酸素不足・栄養不足となります。
酸素不足・栄養不足を解消しようとして、身体は新しい血管(新生血管)を作り出します。
新生血管は、本来の血管に比べてとても破れやすいので、容易に眼底出血をおこします。
網膜剥離や硝子体出血をおこし、重度の視力障害や失明につながる可能性があります。
治療の基本は、薬物療法/食事療法/運動療法による血糖のコントロールですが、急激な血糖の低下は網膜に悪い影響を及ぼすこともあります。眼科で検査を受けながら、血糖をコントロールしていきましょう。
症状が進行した場合、必要に応じてレーザー治療を行います。レーザー治療は外来で行うことができ、強い痛みもありません。瞳孔を開く点眼薬を使用しますので術後4~5時間は運転ができませんが、それ以外特に日常生活に影響はありません。手術によって症状の進行をおさえることが、第一の目的です。
定期検査で患者さんの病態から手術の必要性や時期を診断し、硝子体手術が必要と判断した時点で大学病院などの専門施設へ紹介しています。