まつげの生え際にある「マイボーム腺」に脂肪が詰まることにより、「白いできもの」ができたり、「腫れ」たりするのが霰粒種です。炎症を伴わない場合には痛みはありませんが、細菌が感染すると化膿してきて痛みを伴います。炎症を伴う場合は、脂肪が自然に吸収される場合もありますが、悪化していくると硬いカプセルのような膜に脂肪が包まれ、自然治癒は難しくなり、手術で切開しなければ治らない場合もあります。
マイボーム腺以外の分泌腺に雑菌が感染すると、まぶたも赤く腫れあがり、まばたきをしても痛みを伴う場合があります。このタイプのものもらいは、菌が感染しているので点眼薬などの薬を使用しないと治らない場合がほとんどです。
上下に30~40個ずつあります
マイボーム腺に脂がつまっている状態
腫れて、しこりがある状態
病状によって異なりますが、点眼薬だけで様子見る場合と、点眼薬プラス眼軟膏(目の中に入っても大丈夫です)や、抗生物質や抗炎症の内服薬を併用する場合とがあります。また、痛みや腫れが引いても「しこり」が残っている場合は、ケロイドなどの治療に効果がある点眼薬や内服薬を使用します。また、漢方薬でも効果のある薬がありますので、併用する場合もあります。
など、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
腫れているたけの場合は、概ね1週間程度で治りますが、「しこり」が残るタイプだと完治まで数ヶ月かかる場合があります。
手術をする前、まぶたに麻酔薬を注射しますが、そのときに少し痛みがあるだけで、切開をするときはほとんど痛みはありません。手術後は、眼帯をしますが翌日は必要ありません。
ものもらいは人にはうつりません。ウイルスが原因のもの例えば「はやり目」などはうつりますが、雑菌や脂肪の固まりが原因であるものもらいはうつりませんのでご安心を。
夏場は特にシャワー派が多くなりますが、体が温まらないとまぶたも温まらず、マイボーム腺に脂肪がつまりやすくなります。40度前後のお湯に10〜15分程度つかり、体もまぶたも温めてあげましょう。
まつげの生え際にあるマイボーム腺にまでアイメイクをしていると、脂を出す出口を塞いでいることになります。まつげの生え際のアイメイクはなるべく避け、常に清潔になるよう心がけましょう。
ものもらいのなりかけの場合、マイボーム腺の出口が詰まり気味になります。ホットタオルで温めると改善したり予防にもなりますので、お風呂に入っているときや寝る前に2〜3分温めてあげましょう。
ものもらいになっているときは、なるべくコンタクトレンズの装用を控えましょう。コンタクトレンズの汚れなどにより症状を悪化される場合があります。