網膜とは、眼の中にある薄い膜で、カメラに例えるとフィルムにあたり、光を感じる大切な箇所です。
網膜の孔があいたり裂け目ができた状態を網膜裂孔といい、網膜裂孔の状態から網膜が剥がれてきた状態と網膜剥離といいます。
網膜に孔が開いていますが、剥がれてはいない状態
白い箇所が、網膜が剥がれている状態
広範囲に剥がれており、もの見る部分の黄斑部にも一部かかっている状態
飛蚊症の症状の他には、次のような症状があります。
視界の中心や端に光が見えたり、チカチカしたりします。
カーテンがかかっているような感じになります。
ものを見る黄斑部(おうはんぶ)にかかると、見えづらくなったり歪んで見えたりします。
眼科なので、眼底検査以外にも視力や眼圧(目の固さ)も検査しますが、目の中の硝子体や目の奥の網膜に以上かないか検査します。眼底検査をする場合、目薬(散瞳剤<さんどうざい>)をして瞳(瞳孔<どうこう>)を開きます。目薬の効果が切れるまで5〜6時間くらいかかりますので、検査の後は、車の運転ができませんし、ピントが合いにくくなるので書き物をするのもできません。天気が良い場合は、まぶしくなりますので、サングラスがあると便利かもしれません。
正常な瞳孔
瞳孔が開いた状態
網膜裂孔または網膜剥離と診断された場合は、放置しても投薬しても治りませんし、病状が悪化すると最悪失明する場合もありますので、外科的な治療が必要です。治療方法は、次の3つになります。なお、当院では、1.網膜光凝固術を実施しております。
裂孔または剥離部分の周辺にレーザーを照射し固めます。周辺を固めることによって、病変部位が広がらないようにします。照射する時間は病状にもよりますが、数分程度です。
赤丸の内側が裂孔部分、青丸の内側の黒い点がレーザー照射箇所です
専門施設を紹介しております
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眼の中の硝子体は、加齢とともに液状化していきます。液状化した硝子体が網膜より離れるとき、一緒に網膜に孔が開いたり剥がれてしまうことがあります。
ボクサーなどにも多く見られますが、殴られたり、野球やサッカーのボールがあたったり、何かにぶつかったりした衝撃で網膜に障害を引き起こすことがあります。
近視には2つの要因があり、一つは屈折性で角膜や水晶体の屈折力により近視となり、もう一つは軸性のものです。網膜に関連するので、この軸性によるもので、軸性とは眼が奥に長くなります。
長くなると網膜もひっぱられ薄くなります。
アトピーの場合は、かゆみにより掻くだけではなく、叩いたりこすったりすることにより、網膜に衝撃が加わり、孔や剥れることがあります。また、糖尿病や他の病気が原因でなる場合もありますので注意してください。