眼の中の“隅角”という部分が“狭く”なっている状態です。
狭隅角は遠視の年配の女性に比較的多くみられます。
眼の中には房水という液体が流れています。房水の流れがスムーズで、作られる量と排出される量が正常にコントロールできていれば、眼圧を正常に保つことができます。
隅角部分には“シュレム管“という房水の排出口があり、狭くなると房水の排出が妨げられて眼圧があがります。緑内障の中でも隅角が閉塞または狭いタイプを“閉塞隅角緑内障”と呼びます。
また、隅角が完全に閉塞すると“急性緑内障発作”を起こし、急激に眼圧が上昇します。
正常な眼圧は15mmhg前後ですが、発作をおこすと50mmhg以上に上昇することもあります。突然の眼圧上昇により、頭痛・眼痛・吐気・視力低下がおこります。数時間以内に眼圧を下げなければならず、放置すると失明に至ります。
隅角の広さを調べます。閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障の鑑別をしたり、急性の緑内障発作を起こしやすい眼かどうかを診断します。
検査では特殊なコンタクトレンズを眼に乗せるので、軽い圧迫感がありますが痛みはありません。
狭隅角と診断されたら、定期検査を受けて狭隅角の程度を観察していきます。
急性緑内障発作をおこすおそれがあると医師が判断した場合には、レーザー手術を行って房水の通り道を作ります。
費用¥23,130(3割負担の場合)
他に検査・診察代もかかります
この手術は外来で受けることができ、術後の生活にも特に制限はありません。この手術を受けていれば、急性緑内障発作をおこす可能性はかなり低くなります。 一度レーザーであけた穴が再度塞がってしまうことはほとんどありませんが、定期的に術後の経過を診ていくことがとても大切です。
明るい所では瞳孔が閉じて、暗い所では瞳孔が開きます。
瞳孔が開くと隅角部分が狭くなります。もともと狭い隅角が、瞳孔が開くことによって更に狭くなるので、房水の流れが滞りやすくなります。
就寝前にベッドライトで読書を・・・という方は多いかもしれませんが、狭隅角と診断された方はしっかり部屋の電気をつけて下さい。
また少し暗い所で本を読んでいると頭や眼が痛くなったりする方は、隅角が狭くなり眼圧が高くなっている可能性もあります。御心配な方は眼科での検査をお受けください。