これらのことが、ものを見るのを邪魔して、視力の発達を抑えてしまいます。
裸眼の視力と、屈折異常を矯正した視力を測ります。環やイラストを使ったものや、縞模様を使ったものなどがあります。お子さんの年齢や様子に合わせて対応します。
絵ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ちょうちょ、とり、いぬ、さかな)
字ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ランドルト環)
森実ドットカード
ランドルト環などで検査できない乳幼児などが対象です。うさぎの目を指してもらい、指させた目の大きさでおおまかな視力を測定できます。
テラーアキュイティカードII
乳幼児が無地の面より縞模様を好んで見る傾向がある特性を利用した他覚的視力検査カード。
対象者:乳幼児、障害などで意思表示が難しい人
近距離単独視標(ランドルト環)
近くの距離での視力を確認するのに用います。遠視のお子さんや、調整障害の方に使うことがあります。
視力検査装置 VC−60
液晶タイプの最新式視力検査装置です。従来通り、ランドルト環(字ひとつ)はもちろん、絵視標、ひらがななどの対応も可能です。
遠視、近視、乱視の程度を測ります。器械をのぞいてもらうものや、目に光を当ててその反射から読み取るものなどがあります。
正確に調べるために、目薬を使用することがあります。
板付きレンズ/スキアスコープ
目に光をあて、その反射から屈折を読みとる検査です。
乳幼児や障害者にも使用できます。
グランドセイコー WR-5100K
両眼開放レフケラトメーター
TOMEY RT-7000
オートレフケラトトポメーター
目の動きがスムーズか確認します。左右の目の目線が合っているか、ずれている場合はその角度を測ります。
HESSチャート
プリズムバー
両目がきちんと使えているかを確認します。片方の目の情報だけしか頭に届いていないのではないか(抑制といいます)、両方の目に入った像が正しく対応しているか(網膜対応といいます)を調べます。器械を使ったものや、特殊な眼鏡を使うものなどがあります。
チトマスステレオテスト
立体的にモノが見えているかを測定する検査(両眼視機能)。偏光レンズをかけて、視標が浮き上がって見えるか確認します。
ラングステレオテスト
砂嵐の図の中に、何の絵が隠れているか確認する立体視の検査です。
大型弱視鏡(シノプトフォア)
視線のずれの角度を測ったり、両眼でモノを見る機能(両眼視機能)の検査や訓練を行う機械です。
先天白内障、網膜有髄神経線維、瞳孔膜形成遺残、未熟児網膜症など
屈折異常がある場合、それを矯正する眼鏡をかけます。毎日しっかり常用し、ピントの合った像の情報を脳に送ることで、発達を促します。
左右の目の視力が大きく違ったり、視線の合いにくい目がある場合に行います。良い方の目をわざと隠し、弱い方の目をたくさん使ってもらう狙いがあります。シールタイプのものや、布タイプのものがあります。
左右の視力に違いがある場合、ピントを合いにくくする目薬を良い方の目に点眼します。また、近くにピントを合わせやすくする作用のある目薬を、弱い方の目に点眼することもあります。
近くで細かいものを見ることで視力は発達します。ぬり絵や迷路、ブロックやビーズなど、手と目を使う作業をご自宅でしてもらいます。
視力は生後3~6か月ぐらいで急激に発達し、その後8歳ぐらいまで穏やかに発達していきます。
この時期に弱視が判明し、治療が開始できると、抑えられていた発達がすみやかに追いつくと言われています。しかし、視力の発達が抑えられてしまった期間の長さや程度も、治療の進み方に影響します。
また、この時期の治療が不十分に終わってしまうと、不安定なままになってしまいますので、最後まできちんと管理が必要です。
弱視の治療は、定期的な通院とご自宅での訓練が欠かせません。
ご家族様のご理解とご協力が必要です。
子どもは眼鏡をかけたがりません。アイパッチはもっと嫌がります。
治療のためには、本人だけでなくご家族様にもどうぞ頑張っていただきたいのです。
視力や両眼視は将来、職業選択にもかかわることがあります。
(パイロット、警察官、消防官、競馬選手、旅客機客室乗務員など)
一生懸命頑張るお子さんの応援よろしくお願いします。
おや?と感じたら、早めに眼科医に相談をしましょう。
多種の検査機器を用い、検査が難しい乳幼児や発達障害の方の検査検診も行っています。
グレーティングカード
テラーアキュイティーカードの簡易版です。
小児の弱視および斜視の治療用として用いる矯正用具(メガネ・コンタクトレンズ)の作成費用が、国および健康保険組合から一部助成されます。
詳細は、加入している「健康保険組合」にご確認ください。
弱視等治療用眼鏡等作成指示書
現斜視や弱視の検査は、国家資格である視能訓練士が担当しております。現在(2022年3月)当院には3~4名の視能訓練士が在籍しており、週6日の診療日のうち、ほぼ毎日対応できる体制をとっております。1人の患者さんへの対応は、通常の検査よりも長くなりますので、【完全予約制】でお願いしております。
3歳(4歳)児検診、就学前検診、学校での眼科検診で「弱視・斜視」を指摘された場合はもちろん、ご両親いずれかが斜視や弱視がある、親御さんから見て目の位置が気になるございましたら、お電話で予約のうえ受診ください。
その際は、「視能訓練士(しのうくれんし)」の予約を指定していただければスムーズです。