視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・かすみ眼・充血などの眼症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休養をとっても十分に回復しない状態です。
近視や遠視などの屈折異常に対して、眼鏡やコンタクトを使うことを“矯正する”といいます。
“適切な矯正”ができていないことは、眼精疲労の大きな原因の一つです。
その多くは度数の合わない眼鏡やコンタクトを使用していたり、遠視や老眼があるのに矯正をせずに日常生活を送っている場合です。パソコンやデスクワークに限らず現代社会は何かと近くを見ることが多いので、ピントを合わせるために眼は常に頑張っているのです。
ドライアイ:涙の役割の一つに“角膜の乾燥を防ぎ、酸素や栄養を与える”ということがあります。 特にパソコン作業中は瞬きが減るのでより乾燥し、眼精疲労を助長します。
斜視・斜位:物を立体的にとらえることが難しく、眼精疲労の原因になります。
その他:緑内障や白内障、眼瞼下垂(まぶたがさがってくる)
テレビやパソコンなどのVDT(Visual Display Terminals)作業が長時間続くことで眼精疲労につながります。現代社会は携帯電話やスマートフォンなどの情報端末が普及し、 3D映画のヒットを発端に家庭でも3Dテレビや3Dゲーム見られるようになり一日中眼を酷使しています。最近では子供にとっても携帯電話やパソコンが身近な存在になっており、「疲れ目」を訴える子供たちも少なくありません。
実際には様々な原因が単独ではなく、複合的におこっている場合が多いものです。
単なる「疲れ目」と考えず、眼科で詳しく検査をすることをおすすめします。
視力検査・眼圧検査・眼底検査・調節検査に加え、眼のピント合わせを行う“毛様体筋の疲労度”を測定できる最新機器トライイリスを導入し、眼精疲労の程度や原因を調べていきます。
普段使用している眼鏡やコンタクトが原因になっていることも考えられますので、眼精疲労が気になる方はぜひご持参下さい。コンタクトは度数やベースカーブなどのデータも参考になります。
数分間の簡単な検査で、測定できます。痛みや眩しさもありません。
30代男性。「目の奥が痛い」「頭が痛い」との症状を訴え来院されました。
正常な瞳孔は、近くを見るときは「縮瞳および輻輳」、遠くを見るときは「散瞳および開散」という瞳孔反応を示します。
不同視(視力の左右差が2.00D以上)や極度の強度近視などを除いて、眼精疲労に対する矯正器具は眼鏡が適しています。特にドライアイを助長するコンタクトレンズは、パソコン作業には適していません。
例えば、パソコンを長時間使うのに遠くがよく見えるコンタクトを使って、疲れ目を感じている場合
➔ 「コンタクトをパソコンに適した度数に調整する」よりも「適切な度数の眼鏡を使用する」方がおすすめです。
眼鏡やコンタクトレンズは、“遠くがよく見える=適切な度数”ではありません。
一日の間で「どこを見ている時間が長いか」「どういった作業に使いたいのか」などを考慮する必要があります。