人の目は、近くを見るときは寄り目になります。ピントを近くに調節する機能と、寄り目の機能が連動しています。遠視があると、ピントの調節に強い負荷がかかるので、寄り目も強く出てしまい、内斜視になる場合があります。
目を動かす筋肉や、それをつかさどる神経、目を動かす指令を出す脳の異常でもおこります。
片目ずつではよく見えるが、両目で見ると二重にみえる、ピントが合わない、ぼやける等の症状がおこります。2022年2月 NHKためしてガッテンの放送で、加齢が原因でおこる斜視 Sagging eye (サギング/サジング アイ)症候群が紹介されました。
病気やケガで片方の目の視力が悪くなると、悪い方の目が斜視になってしまうことがあります。
遺伝や脳の一部のわずかな異常から、両眼視をすることができない場合、両方の目がばらばらの動きをすることがあります。
Duane症候群(I型)
右方視
正面視
左方視
裸眼の視力と、屈折異常を矯正した視力を測ります。環やイラストを使ったものや、縞模様を使ったものなどがあります。お子さんの年齢や様子に合わせて対応します。
視力検査装置 VC−60
液晶タイプの最新式視力検査装置です。従来通り、ランドルト環(字ひとつ)はもちろん、絵視標、ひらがななどの対応も可能です。
絵ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ちょうちょ、とり、いぬ、さかな)
字ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ランドルト環)
近距離単独視標(ランドルト環)
近くの距離での視力を確認するのに用います。遠視のお子さんや、調整障害の方に使うことがあります。
グレーティングカード
テラーアキュイティーカードの簡易版です。検査が難しい乳幼児や発達障害の方の検査検診も行っています。
遠視、近視、乱視の程度を測ります。器械をのぞいてもらうものや、目に光を当ててその反射から読み取るものなどがあります。
正確に調べるために、目薬を使用することがあります。
板付きレンズ/スキアスコープ
目に光をあて、その反射から屈折を読みとる検査です。
乳幼児や障害者にも使用できます。
グランドセイコー WR-5100K
両眼開放レフケラトメーター
TOMEY RT-7000
オートレフケラトトポメーター
目の動きがスムーズか確認します。左右の目の目線が合っているか、ずれている場合はその角度を測ります。
HESSチャート
プリズムバー
両目がきちんとバランス良く使えているかを確認します。片方の目の情報だけしか頭に届いていないのではないか(抑制)、両方の目に入った像が正しく対応しているか(網膜対応)を調べます。器械を使ったものや、特殊な眼鏡を使うものなどがあります。
チトマスステレオテスト
立体的にモノが見えているかを測定する検査(両眼視機能)。偏光レンズをかけて、視標が浮き上がって見えるか確認します。
ラングステレオテスト
砂嵐の図の中に、何の絵が隠れているか確認する立体視の検査です。
大型弱視鏡(シノプトフォア)
視線のずれの角度を測ったり、両眼でモノを見る機能(両眼視機能)の検査や訓練を行う機械です。
フルネル膜プリズムレンズ
メガネに貼り付けて使用します。着けはずしも簡単にできます。斜視の治療、訓練に使用します。
プリズムレンズ
斜視の角度を計測します。
先天白内障、網膜有髄神経線維、瞳孔膜形成遺残、未熟児網膜症など
屈折異常がある場合、遠視を矯正したり、左右の見え方を整えたりと、目の位置をそろえやすくするために眼鏡をかけることがあります。プリズム眼鏡という、レンズを通った像の位置をずらす効果のあるレンズを使った眼鏡になることもあります。
いつもずれる目が決まっている場合や、動きの悪い目がある場合、良い方の目をわざと隠す訓練を行います。
場合によっては、病院でも検査に加え訓練を行うことがあります。ご自宅できる訓練を指導することもあります。
適応の場合は、紹介状をご用意します。
東京大学付属病院、日医大多摩永山病院、(北千住)こばやし眼科クリニック、北里大学病院、神奈川歯科大学附属横浜クリニック、国際福祉医療大学熱海病院 等
斜視の治療は、定期的な通院とご自宅での訓練が欠かせません。
お子様の場合、ご家族様のご理解とご協力が必要です。
子どもは眼鏡をかけたがりません。アイパッチはもっと嫌がります。
治療のためには、本人だけでなくご家族様にもどうぞ頑張っていただきたいのです。
視力や両眼視は将来、職業選択にもかかわることがあります。
(パイロット、警察官、消防官、競馬選手、旅客機客室乗務員など)
一生懸命頑張るお子さんの応援よろしくお願いします。
おや?と感じたら、早めに眼科医に相談をしましょう。
小児の斜視および弱視の治療用として用いる矯正用具(メガネ・コンタクトレンズ)の作成費用が、国および健康保険組合から一部助成されます。
詳細は、加入している「健康保険組合」にご確認ください。
弱視等治療用眼鏡等作成指示書
斜視や弱視の検査は、国家資格である視能訓練士が担当しております。現在(2022年3月)当院には3~4名の視能訓練士が在籍しており、週6日の診療日のうち、ほぼ毎日対応できる体制をとっております。1人の患者さんへの対応は、通常の検査よりも長くなりますので、【完全予約制】でお願いしております。
3歳(4歳)児検診、就学前検診、学校での眼科検診で「斜視・弱視」を指摘された場合はもちろん、ご両親いずれかが斜視や弱視がある、親御さんから見て目の位置が気になるございましたら、お電話で予約のうえ受診ください。
その際は、「視能訓練士(しのうくれんし)」の予約を指定していただければスムーズです。